最終更新日:

『戦旗』第1690号(3月1日)

反改憲―戦争阻止のうねりで高市政権打倒!

大軍拡攻撃を許すな! トランプ・高市会談粉砕

 二月八日投開票の衆議院選挙において、自民党は単独で三分の二議席以上の三一六議席を獲得し大勝した。加えて連立相手の日本維新の会も三四議席から微増し三六議席を獲得し与党は合計三五二議席となった。一方の最大野党の「中道改革連合」は、旧公明党は全員当選したものの、旧立憲は、小沢一郎、岡田克也、枝野幸男、安住淳など党の重鎮が落選し、一二三議席減の二一議席となり、壊滅的敗北となった。また、共産党は八議席から四議席と半減、れいわ新選組も八議席から一議席のみとなった。立憲は「安保法制合憲」「辺野古新基地建設容認」など、早々に転向して自滅し、「野党共闘」路線は崩壊した。他方、排外主義・参政党は前回二議席から一五議席と大幅増となった。
 高市によるクーデター的「先行逃げ切り」解散作戦は成功したといえるだろう。今後、高市自維政権は、「重要政策の大転換」「国論を二分する政策」として戦争と改憲、治安弾圧攻撃を一気呵成に推し進めてくることは確実な情勢となった。戦争とファシズムの時代の到来であり、時代の大きな転換点である。 
 今こそプロタリア国際主義を掲げ、全国で闘い抜く人民と結合し、反戦、反差別、反原発、反改憲闘争を闘い抜こう。26春闘に勝利しよう。高市極右政権を打倒しよう。

米帝―トランプ政権の国家安全保障戦略(新NSS)

 昨年一二月五日、米帝―トランプは第二次政権初の国家安全保障戦略(新NSS)を発表した。
 今回の新NSSが示すのは、これまでのアメリカをギリシャ神話の中で天球を支える巨人=アトラスに例えて、「世界秩序全体を支えてきた時代は終わった」という表現を用い、ブルジョア的「自由・民主主義」を「普遍的価値観」とする世界秩序構築の放棄を宣言したものだといえる。
 米帝―トランプ政権は、これまでの「世界の警察」としてのスタンスを一八〇度転換し、「アメリカ・ファースト」=古典的帝国主義としての「モンロー主義」をベースに、それをトランプ流に補足した「ドンロー主義」(ドナルド・トランプのファーストネームのド)なるものをかかげ、自国の帝国主義的利害を前面に押し出す姿勢を鮮明にした。

新NSSは米第一主義への全面的戦略転換

 今回の新NSSの第一の特徴は、冒頭の序論において、アメリカの冷戦終結後の「戦略」は誤りであったと全面的に否定していることだ。
 それは、「いかなる国、地域、問題、大義も……米国戦略の焦点となり得るわけではない。外交政策の目的は中核的な国益の保護」であるとして、「他国の事情がわれわれの関心事となるのは、その活動が直接的にわれわれの利益を脅かす場合に限られる」と言い切っていることからも明白だ。
 さらに、「われわれのエリート層は、国民が国益との関連性を認めない地球規模の負担を、アメリカが永遠に背負い続ける意思があるという点を著しく誤算した」と批判的に総括し、「彼らはグローバリズムといわゆる『自由貿易』に、極めて誤った破壊的な賭けをした。その結果、アメリカの経済的・軍事的優位性の基盤である中産階級と産業基盤そのものが空洞化した」、また、「同盟国やパートナー国が防衛コストをアメリカ国民に押し付けることを許し……彼らの利益には重要だが、われわれにとっては周辺的あるいは無関係な紛争や論争に巻き込むことも許した」として、かつて新自由主義グローバリゼーションを先導した張本人である米帝自身がこれを完全に否定したのである。そして、「われわれのエリート層は」という表現をもって、それらの「誤り」の責任を旧来的なエスタブリッシュメント(支配層)――とりわけ米民主党――になすりつけているのだ。
 前バイデン政権によるNSS(二二年一〇月発表)と比較すると、その極端な戦略転換はより鮮明になる。バイデン政権時の最大の課題としてNSSにあげられていたのは、「民主主義」と「自由で開かれた、繁栄し、安全な国際秩序の防衛」であった。これに敵対するのが、「権威主義的な統治体制と現状変革的な対外政策を組み合わせて展開している」として、具体的にはロシアと中国を名指ししたのだった。
 ロシアはウクライナ侵略戦争をもって、「国際秩序の根幹をなす法を無視する、自由で開かれた国際システムに対する即時的な脅威」として、中国は、「国際秩序を変革する意図とともに、これまで以上にこの目標を達成する経済的、外交的、軍事的、技術的なパワーを有する唯一の競争相手」だと規定した。さらに、インド太平洋を「米国の安全保障、繁栄、地政学的地位における『死活的利害』がある地域」だと位置づけ、同地域への関与を最優先事項に設定し、中国に対する政治的、経済的、軍事的包囲網形成を、「日米豪印戦略対話(クアッド)」、「米英豪安保枠組み(AUKUS)」などとして推し進めてきたのだった。
 前バイデン政権が掲げた、「民主主義と専制主義との戦い」や「権威主義対自由主義」といった「体制選択論」的な主張は、新NSSでは一掃され、代わって強烈に押し出されているのが、「アメリカ・ファースト」であり、アメリカにとって「得か損か」という、むき出しの帝国主義の論理だ。ここにもトランプ自身の判断基準である「ディール(取引)」の発想法が貫かれている。
 安保戦略の一切は、「アメリカの核心的な国家安全保障上の利益」であるか否かが判断の原則とされ、「米国は他国との関わりにおいて……その伝統や歴史から大きく異なる民主主義その他の社会変革を押し付けることはない」とも言っている。ここでも前バイデンNSSとは真逆の主張がなされており、これを「柔軟な現実主義」だと合理化しているのだ。
 だが一方では、「米国は、いかなる国も自国の利益を脅かすほどに支配的になることを許容できない」とも主張している。名指しはせずとも、これが中国を指すことは一目瞭然だ。中国に対しては、「同盟国・パートナー国と連携し、支配的な敵対勢力の台頭を阻止するため、世界的・地域的な勢力均衡を維持する」として、インド太平洋地域での中国に対する軍事的包囲網については維持する姿勢を鮮明にしている。米帝―トランプ政権は、今後の世界秩序を中国と米国の「G2」のみを軸に構想しつつも、同時に中国のインド太平洋地域における覇権拡大を牽制し対抗するため、日本や韓国、オーストラリア、フィリピン、台湾などの親米国家・政府を利用し、これら諸国の軍隊を前面に出すことによって、軍事的には「第一列島線」に中国軍を封じ込めようとしているのだ。
 第二の特徴は、「世界で最も強力で、殺傷能力が高く、技術的に先進的な軍隊を募集し、訓練し、配備することを目指す」、「強さこそが最大の抑止力」だとして、核兵器を頂点とする新たな武器の開発・更新を行い、圧倒的な軍事的優位性を保持すると宣言している。また、米本土防衛のために、次世代ミサイル防衛システム=「ゴールデン・ドーム」構築を目指すとしている。
 さらに、これら軍事的覇権の基礎として、アメリカ国内において「世界最強の産業基盤の構築」が掲げられている。空洞化した米国内産業の再構築や、「最も強靭で生産性が高く革新的なエネルギー部門」として、「モジュール炉」や「革新炉」などの新型原発の開発と輸出の促進、革新的科学技術の世界最先端国家でありつづけることがあげられている。
 第三の特徴は、同盟国・パートナー国に対して防衛費増額を強く求めていることだ。新NSSには、「われわれはもはや、フリーライダー(=ただ乗り)行為、貿易不均衡、略奪的な経済慣行を……許容できない。特にわれわれは、同盟国が自国の防衛に国内総生産(GDP)のより多くの割合を費やすことを期待する。これは、米国がはるかに大きな支出を続けてきた数十年間に蓄積された巨大な不均衡を埋め始めるため」だとしている。首相・高市はこの要求の前に、五年で四三兆円の大軍拡予算の二年前倒しの実施を強行したのである。
 これらの軍事費大増額要求が、世界で軍拡競争にさらなる拍車をかけ、大増税によって労働者人民をより一層困窮化させていくことは明らかだ。

「西半球」を米の「縄張り」宣言

 新NSSにおいて、米帝にとっての「中核的な国益の保護」として最先頭にあげられたのが「西半球」だ。これは南北アメリカ大陸とその周辺の島および海域を指す言葉として用いられている。
 新NSSでは、「長年放置されてきた西半球において、米国はモンロー主義を再確認し、その実施を通じて米国の優位性を回復するとともに、自国本土及び地域内の重要地域へのアクセスを保護する」としている。
 トランプ政権は、「ドンロー主義」をかかげ、「西半球」を米帝単独の「縄張り」として再構築することを最優先課題に設定したのだ。優先順位の先頭がこのA「西半球」である。以降、Bアジア、C欧州、D中東、Eアフリカとつづく。
 「モンロー主義」とは、アメリカ第五代大統領・モンローが提唱したものだ。「ヨーロッパ各国の紛争にアメリカは干渉しないが、ヨーロッパ各国もアメリカ大陸には介入しない」という「相互不干渉の原則」だとされているが、アメリカのブルジョア支配階級は、「ヨーロッパ帝国主義列強の支配から中南米諸国を守る」ことを名目にしつつ、実際には「西半球」の独占的勢力圏化を進めていったのだ。後にはカリブ海への軍事介入など、米帝の中南米侵略・植民地化を正当化する論理として用いられてきたのが「モンロー主義」の実態である。
 さらに、「われわれは、非西半球の競争相手が、われわれの西半球に軍隊やその他の脅威となる能力を配置したり、戦略的に重要な資産を所有・支配したりする能力を否定する」、「非西半球の競争国は、現在におけるわれわれの経済的不利を招くだけでなく、将来的に戦略的損害をもたらす可能性のある形で、われわれの半球に大きく進出している。こうした侵入を真剣な反撃なしに許容することは、ここ数十年における米国のもう一つの重大な戦略的過ち」だと述べている。ここでいう「非西半球の競争相手」とは中国を指している。
 新NSSでは「西半球」におけるアメリカにとっての脅威を、具体的には「違法で不安定化をもたらす移民の阻止」「人身取引・麻薬流通の阻止」「陸海における安定と安全の強化」などとした上で、これらの「緊急脅威に対処」することを口実にしているが、他方では、「西半球には多くの戦略的資源が存在し、米国は地域同盟国と連携して開発を進めるべき」とも記述されており、石油をはじめとする戦略的資源の強奪と独占的獲得という真の狙いをあからさまに表明している。
 そして、「米国は西半球において卓越した地位を維持しなければならない。……同盟関係の条件、あらゆる形態の支援提供の条件は、軍事施設・港湾・重要インフラの支配から広義の戦略的資産購入に至るまで、敵対的な外部勢力の影響力を縮小させることを前提としなければならない」としている。
 中国と中南米諸国の貿易総額は、二〇二四年で五一八四億ドル(約七六兆円)であり、この一〇年間でほぼ倍増している。現在的には、中国が中南米諸国にとっての最大の貿易相手国であり、中南米諸国域内三三カ国のうち、ブラジル、アルゼンチン、チリ、キューバなど二〇カ国以上が、中国の「一帯一路」経済圏構想に参加しているのが現状である。
 それ以前の中南米は、「米国の裏庭」と称され、労働者人民は、米帝―CIAなどによる直接・間接の軍事介入、反共軍事クーデターによる親米傀儡政権樹立―軍事独裁支配との長期にわたる厳しい持久的闘いを強いられてきた。その粘り強い闘いによって、九〇年代以降には民政移管をかちとり、多くの反米左派政権が誕生してきた歴史を有している。
 トランプ新NSSは、これらキューバをはじめとする中南米の反米左派政権を打倒して、新たに親米傀儡政権を樹立し、再び「米国の裏庭」に作り変えようとしているのである。
 第二次トランプ政権発足後、「カナダを『五一番目の州』としてアメリカが吸収すべき」「パナマ運河を取り戻す」「グリーンランド領有」といった数々のトランプの暴言は、単なる大言壮語などではなく、この「西半球」再勢力圏化の野望から導き出されたものだ。
 その第一段として強行されたのが、本年一月三日のベネズエラ軍事侵攻―マドゥロ大統領夫妻の拉致・連行の暴挙に他ならない。
 昨年九月より、米軍は「米国に麻薬を運んでいる」との口実で、ベネズエラ周辺海域において「麻薬運搬船」とみなした船舶への攻撃を繰り返し、すでに一〇〇人以上の人民が虐殺されている。
 この米帝のベネズエラ侵攻の暴挙こそ、「アメリカの利害に沿わない者には軍事力発動も躊躇しない」という第二次トランプ政権の本性を示すなによりの証拠だ。その意味において、ロシア・プーチン政権によるウクライナ侵略とトランプ政権のやっていることには何の相違もない。
 だが、新NSSでいう「西半球」の再勢力圏化などという、むきだしの帝国主義的野望が成功することなどはありえない。中南米諸国労働者人民は、かつての米帝とその傀儡政権による数多の残虐な反革命弾圧に屈することなく、これを打倒する闘いに勝利してきた民族解放革命戦争の歴史を持っているのだ。
 もし米帝が軍事力をもって再侵略を試みるならば、抵抗闘争の内戦的爆発は不可避となるだろう。また、現在圧倒的優位にある中国やロシアの政治的・経済的影響力をいまさら逆転しうる物質的力量が米帝にあるわけでもない。
 米帝が新NSSで主張しているのは、普遍的理念や具体的展望も無く、ただただ傲慢極まりない「アメリカ・ファースト」、すなわち米帝による富の独占宣言のみであり、従わなければ、高関税の恫喝や、中南米からの「不法移民」や「麻薬の流入」阻止といった排外主義的恫喝、あるいは直接的な軍事力行使という力による恫喝でしかない。このような中南米諸国を見下した差別排外主義にまみれたトランプの外交姿勢に労働者人民は決して屈することはないだろう。

新NSSの本質は米帝の歴史的没落

 バイデン政権まで続いたブルジョア的「自由・民主主義」を普遍的な価値とするアメリカの伝統的外交姿勢を完全に放棄し去り、自国の利害をむき出しにした新NSSが示しているのは、米帝の歴史的没落がもはや覆い隠すべくもないものであることの表明であり、米帝主導による「世界秩序」構築の最終的放棄の宣言だといえる。
 第二次トランプ政権は、一一月の中間選挙を控え、低迷する支持率の回復、国内階級支配の危機的状況を打破するために、現在、戦争的手段をも含む絶望的な賭けに出てきているのだ。
 トランプが就任時に発した「アメリカの黄金時代突入」宣言とは真逆に、「トランプ関税」をも要因にしたインフレ・物価高騰がアメリカ労働者人民のさらなる困窮化を引き起こしている。当初50%以上あった支持率は30%台にまで下落し、不支持率が常に上回る状態が継続している。
 昨年一〇月一八日には、全米五〇州、二七〇〇カ所以上で第二次トランプ政権に反対する「NO KINGS(王はいらない)」デモが取り組まれ七〇〇万人が参加した。
 資本主義の象徴的地であるニューヨークにおいて昨年一一月、民主党左派「アメリカ民主的社会主義者」(DSA)のメンバーである、イスラム教徒のゾーラン・マムダニ氏が市長選に勝利した。さらに西海岸のシアトル市においても、社会主義者ケイティ・ウィルソン氏が市長選に勝利している。
 「われわれは99%だ!」を合言葉にはじまった「ウォール街占拠闘争」(二〇一一年)や「民主社会主義」を公然と掲げたバーニー・サンダースへの支持の拡大(二〇一六年)を経る中で、アメリカの左派運動は、社会主義を公然と掲げた市長を誕生させるまでに勢力を拡大しており、アメリカ国内の地殻変動は確実に進んでいる。トランプは、マムダニ氏を「共産主義者」だと規定し口汚く罵っているが、これこそトランプの危機感のあらわれに他ならない。
 昨年一二月から始まった移民を取り締まる「メトロ・サージ作戦」では、ミネソタ州ミネアポリスにおいて、移民税関捜査局(ICE)が約三〇〇〇名の職員を動員した「不法移民」一斉摘発、排斥を強行し、監視活動や抗議をした二名が射殺された。これに抗議するゼネストが闘いぬかれた。反ICEのデモはアメリカ全土のみならず全世界へと波及している。ミネアポリスは二〇年に白人警察官によるジョージ・フロイド氏が虐殺されたことを契機に「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」運動が爆発した地でもある。
 トランプは、「不法移民」排斥の排外主義的な煽動、人種的多様性や性的多様性を否定し、没落白人中間層を中心とした国民再統合をはかろうとしているが、アメリカ労働者階級人民のトランプ政権に対する怒りの炎はさらに燃え広がり、政権をさらなる危機へと追い込んでいるのだ。アメリカ国内の分断と対立はさらに非和解的、内乱的に深化していくことは必至だ。
 国際的にもトランプ政権は、「アメリカ・ファースト」のもとで、各国に高関税をふっかける、六六の国際機関からの脱退を進める、パレスチナ人民へのジェノサイドを続けるイスラエル・ネタニヤフ政権の全面的支持・支援の継続、国際法をも完全に無視したイラン軍事攻撃強行(二五年六月)、本年一月のベネズエラ侵略戦争強行などの蛮行を繰り返しており、世界からの「アメリカ離れ」=孤立化を必然的に引き起こしているのだ。


極右高市自維連立政権を打倒しよう

 全世界の労働者階級人民と連帯し、「アメリカ・ファースト」を掲げて戦火を拡大させるトランプ政権を高市ともども打ち倒そう。
 日帝―高市政権は、「物価高対策が最優先課題」だとして昨年末まで衆議院解散を否定していたが、その言辞を翻して一月二三日にクーデター的解散を強行した。
 高市は一月一九日の記者会見において、この解散総選挙を「国の根幹に関わる重要政策の大転換」を進めることの「国民の信任を問う」ものだと位置づけて、「政策実現のためのギアをもう一段上げる」、「国論を二分するような大胆な政策、改革に果敢に挑戦していきたい」と述べた。
 これは自民・維新が総選挙で勝利すれば、「重要政策の大転換」「国論を二分する政策」への信任が得られたものとみなし実行するという、高市への「白紙委任」=独裁政治の遂行宣言に他ならない。また、通常国会が始まれば、高市自身の統一教会との癒着(TM特別報告問題)や、維新の会議員による組織的国保逃れの脱法行為の追及は必至となり、これを見越して高市政権が高支持率のうちの国会冒頭解散を決断したということでもある。
 高市の主張する「大転換」とは、自民・維新の「連立政権合意書」にある、改憲と戦争国家化の「ギアをもう一段上げる」ことを意味する。
 経済政策では、規制緩和と既得権益への投資を基軸とした新自由主義的成長戦略である「アベノミクス」から転換し、AI・半導体、航空・宇宙、資源・エネルギー、防衛産業・情報産業などの軍事技術と境目のない「デュアルユース」な先端技術領域を主要な投資先に設定している。帝国主義間および中国との争闘戦激化を見据え、これらの領域に戦略的投資を行うことを新たな成長戦略=「サナエノミクス」として打ち出したのだ。
 高市は、「安保三文書」の前倒し改定を受け、軍事費の対GDP比2%以上も前倒しにする大軍拡を強行している。これは、「デュアルユース」領域への投資戦略と一体であり、岸田政権時に策定した「防衛装備移転三原則」の五類型――輸出できる装備品を救難、輸送、警戒、監視、掃海に限定――を撤廃し、無制限な武器輸出を目指すものだ。また、軍隊が直接管理・運営する「国営工廠」の設置も明記されており、アメリカ型の軍産複合体構築を「成長戦略」の基軸に据えようとしているのだ。
 自維連立政権は、総選挙後の通常国会において、日本版CIA=国家情報局の創設と、スパイ防止法制定を策動している。さらには、天皇制・天皇制イデオロギーによる国民統合攻撃としての「昭和一〇〇年」キャンペーンを、4・29「昭和の日」を中心に強行しようとしている。
 われわれ共産同(統一委)の二六年春期闘争方針を提起する。第一に琉球弧・西日本をはじめとする日米軍事基地の新増設攻撃と対決し、沖縄・辺野古新基地建設反対闘争をはじめ、西日本で強化される「スタンド・オフ・ミサイル」など先制攻撃兵器の配備に反対し、現地で粘り強く闘う住民とともに反戦反基地闘争に決起しよう。
 第二に、3・11東日本大震災―福島原発事故から一五年を迎える本年、原発回帰路線へと全面転換した日帝政府による原発再稼働に反対して闘おう。福島原発事故の風化、原発被災者の棄民化を許さず、原発の新増設阻止、老朽原発再稼働阻止、全原発の廃炉、日帝の核武装阻止をかかげて闘おう。
 第三に、26春闘を闘おう。最低賃金は引き上げられたが物価上昇にはまったく追い付かず、実質賃金は下落したままだ。非正規雇用労働者の賃金引き上げと最低賃金全国一律一五〇〇円以上をかかげて全国で闘おう。現代の奴隷制である「技能実習生」をはじめとする、外国人労働者の権利を獲得することは、プロレタリア国際主義派の実践的任務としてある。労働者に長時間労働を強いる労働時間規制の見直し、「裁量労働制」拡大に反対し、全国で奮闘しよう。
 第四に、三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかける、3・29芝山現地闘争に決起しよう。反対同盟は六〇年にわたり、農地死守、実力闘争の原則を堅持して闘いぬいている。「用地内」反対同盟の市東孝雄さんは、不当な農地強奪に身体を張って闘い、現在も天神峰の地で営農を継続している。南台の農地の強制執行を許さず実力闘争で闘おう。成田空港会社は「第二の開港」を喧伝し、空港拡張工事を強行しているが、用地の買収のめどすら立っていない現状だ。反対同盟に連帯し、空港廃港まで闘いぬこう。
 第五に、4・29「昭和一〇〇年」を頂点とする、天皇制・天皇制イデオロギー攻撃、これと一体の差別排外主義煽動による国民統合攻撃と対決していこう。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: