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『戦旗』第1688号(1月1日)

反帝国際主義に立脚し差別・排外主義粉砕
極右高市「存立危機事態」発言撤回せよ!

 昨年の臨時国会において、高市は「台湾有事」について日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得ると答弁した。その後、発言の撤回を求められても拒否し、「従来の政府見解に従った」と居直ったのである。しかし、従来の「存立危機事態」をめぐる「政府見解」には、具体的な対象は明らかにされていない。高市の頭の中には「存立危機事態」とは、麻生同様に「台湾有事」しかなく、「台湾の防衛」と称して米軍と一体となって対中国戦へ参戦することしかないのである。親台湾派である高市は、首相就任前には「村山談話を廃止する」と断言し、靖国神社には毎年八月一五日のほか、春と秋の例大祭には欠かさず参拝している。中国への「戦争突撃内閣」としての本性を早くも現したのだ。
 人民はインフレと物価高に日々苦しめられ、国内産業が衰退する中で実質賃金は下がり続け、国民一人当たりのGDPはIMF統計(世界一九五カ国)中、四〇位(二〇二四年)となっている。そうした中で高市は、帝国主義としての生き残りをかけて日本維新の会や参政党、安保政策と原発政策では自民党とまったく同じ国民民主党をはじめ、保守、極右、排外主義勢力などの諸反動勢力をまとめあげ、戦争国家作りと戦争による危機突破にむけて本格的に踏み込んできたのだ。こうした動きに抗して、本年、左派勢力、民主勢力などあらゆる反戦勢力を結集して戦争とファシズムの高市自維政権を打倒しよう。
 前号に続き、『自民・維新連立政権合意』を批判していきたい。

軍事大国化を宣言した連立政権合意書

(『戦旗』第一六八七号政治主張一章の続き)
 
国家情報局創設とスパイ防止法制定

 五、インテリジェンス政策
 ①二六年通常国会において、内閣情報調査室および内閣情報官を格上げし、「国家情報局」および「国家情報局長」を創設する。安全保障領域における政策部門および情報部門を同列とするため、「国家情報局」および「国家情報局長」は、「国家安全保障局」および「国家安全保障局長」と同格とする。
 ②現在の「内閣情報会議」(閣議決定事項)を発展的に解消し、二六年通常国会において、「国家情報会議」を設置する法律を制定する。
 ③二七年度末までに独立した対外情報庁(仮称)を創設する。
 インテリジェンスとは、情報収集・分析の意味であるが、連立政権合意書の「インテリジェンス」の項目には、国家情報局創設のほかに、二七年度末までに「対外情報庁」と情報要員養成機関の創設、スパイ防止法の早期成立が盛り込まれている。維新によると対外情報庁は諜報、防諜、非公然活動の三つの機能を持つ。米国中央情報局(CIA)の日本版を創設するということである。スパイ防止法制定と国家情報局設置は高市の持論であり、自民党総裁選の公約にも掲げていた。高市は今回、国家情報会議・国家情報局の創設と並行して、スパイ防止法制定とスパイ機関の創設を行おうとしているのである。
 参政党は一一月二五日、スパイ防止を目的とした「防諜に関する施策の推進に関する法律案」と「特定秘密保護法・重要経済安保情報保護活用法の一部改正法案」の二本を参議院に単独で提出した。この法案は、外国の指示を受けた人物が虚偽の情報発信などにより、選挙や行政機関の政策決定に悪影響を及ぼす活動に対して罰則を設けるとともに、活動内容の事前届け出や定期的な報告義務を導入し、届け出がない場合の処罰も創設する内容を盛り込んでいる。また、国民民主党も二六日にスパイ対策を含む政府のインテリジェンス態勢整備を目的とした「プログラム法案」を衆議院に提出した。

原発再稼働の推進と核融合発電

 六、エネルギー政策
 ①電力需要の増大を踏まえ、安全性確保を大前提に原子力発電所の再稼働を進める。また、次世代革新炉および核融合炉の開発を加速化する。地熱など、わが国に優位性のある再生可能エネルギーの開発を推進する。今年は、二〇一一年福島第一原発事故から一五年を迎える。「第七次エネルギー基本計画」において、それまでの基本方針であった「原子力依存度を可能な限り低減する」との文言を初めて削除し、原発の建て替えにも言及し、再び原発推進方針へと転換した。こうした中、連立合意において「原子力発電所の再稼働を進める。また、次世代革新炉および核融合炉の開発を加速化する」と一層の原発推進路線を明らかにした。そもそも核融合発電は、高市が科学技術相であった二二年に初めて国家戦略の策定を表明し、昨年六月に「世界に先駆けて二〇三〇年代の実証をめざす」と国家戦略の改定が行われていた。核融合は超軍事技術であり、水爆と同じ原理で発電しようとする計画である。軍事技術であるから、核保有国が自国のみで開発しようとしたが、一国では難しく国際的プロジェクトとして立ち上げているが、未だ実験炉もできていない。核融合炉は発電時に温室効果ガスを排出しないため、地球温暖化にも有効だと喧伝しているが、現時点での実用化にむけた時期が今世紀末という始末だ。まったく温暖化対策には間に合わない。また、唯一実現可能とされている方法では、重水素と三重水素を反応させるために廃棄物の生成も少なく、放射能漏れなどによる周辺環境への影響も限定的などと現在の原発よりもはるかに安全だとさえ宣伝している。しかし、三重水素とはそもそもトリチウムという放射性物質であり、核融合には約一億度といわれる超高温の環境維持が必要とされており、その技術や安全性はまったく未知数なのだ。クリーンでもなければまったく安全でもない。高速増殖炉「もんじゅ」が完全に破綻したように核融合炉など文字通りの「夢のエネルギー」でしかないのだ。日本成長戦略本部では重点投資の対象とし、二五年度の補正予算案では、できもしない核融合開発関連事業に一千億円超を計上している。

排外主義に満ちた外国人政策

 九、人口政策および外国人政策
 ①「ルールや法律を守れない外国人に対しては厳しく対応する」として(1)「外国人との秩序ある共生社会推進室」の設置(すでに参院選過程で設置)、(2)在留外国人に関する量的マネジメント、(3)外国人に関する制度の誤用・乱用・悪用への対応を強化。
 ②二六年通常国会で、対日外国投資委員会(日本版CFIUS)の創設を目指す。また、二六年通常国会で、外国人および外国資本による土地取得規制を強化する法案を策定する。
 すでに高市は今年一月をめどに外国人政策の基本方針をとりまとめるよう関係閣僚に指示しており、さらに有識者会議での議論を経て、今通常国会で「外国人総合対策」の策定を狙っている。
昨年一〇月二一日、「外国人との秩序ある共生社会担当大臣」が新設された。一一月四日には、従来の「外国人材の受入れ・共生のための関係閣僚会議」が改組され、全閣僚による「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」が設置された。高市からの指示により、税金滞納者に対する在留資格審査の厳正な運用、日本国籍取得の厳格化といった「既存のルールの遵守・各種制度の適正化」などが検討されることになっている。
 ここで厳しく注意しなければならないのは、出入国在留管理庁による「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」同様、外国人を日本社会の秩序を乱し、不安を生み出す存在と捉え、不安の原因を除去するために、排外主義をもって外国人に対する管理・監視、排除を一層強化しようとしていることである。

裏金問題の幕引き図る政治改革

 一二、政治改革
 ①「企業団体献金の取り扱いについて」は、「協議体を二五年臨時国会中に設置するとともに、第三者委員会において検討を加え、高市総裁の任期中に結論を得る」と実質先送りがなされた。「政治と金」をめぐる幕引きだ。また、維新の会は突如として「連立の絶対的条件」だとして定数削減を持ち出し「一割を目標に衆院議員定数を削減するため、二五年臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指す」とした。これを受けて一二月一日には、「小選挙区二五、比例区二〇」の削減案を軸に検討する方針を確認している。

▼8節 「昭和一〇〇年」キャンペーンと皇室典範改正

 高市政権は本年、「昭和元年」から一〇〇年を迎えることを記念するとして、四月二九日の「昭和の日」に日本武道館で式典を開催することを発表した。すでに内閣官房において「昭和一〇〇年」ポータルサイトを立ち上げ、当日だけでなく地方公共団体や民間も含めた多様な取り組みを全国各地で年間を通して行おうとしている。天皇制のもとに中国、台湾、朝鮮をはじめとしてアジア諸国への侵略戦争と植民地支配に血塗られた「昭和」を全国民あげて、賛美、祝おうというのである。
戦後八〇年の昨年、天皇一家は小笠原諸島の硫黄島を皮切りに、沖縄、広島、モンゴル、長崎など「慰霊の旅」と称して天皇の戦争責任の清算を行い、さらに皇室あげての親善訪問などの皇室外交を強めている。
 そうした中、皇族の数が減り、現在の皇位継承を「男系男子」に限る皇室典範では、皇位継承者が三人となる中で、天皇制の維持のために連立合意書において「現状の継承順位を変更しないことを前提とし、安定的な皇位継承のため、皇室の歴史に整合的かつ現実的である『皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とする』案を第一優先として、二六年通常国会における皇室典範の改正を目指す」と確認した。同時に二六年通常国会において、「日本国国章損壊罪」を制定するとしている。
 戦争にむけた人民の総動員には天皇制の安定が不可欠であり、「昭和一〇〇年」キャンペーンと一体の天皇制への国民統合攻撃である。高市政権による画歴史的な戦争とファシズム攻撃であり、絶対に許すことはできない。アジア侵略反革命戦争阻止! 天皇制打倒の一大闘争として「昭和一〇〇年」キャンペーンを粉砕しよう。


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