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福島原発事故15年 「3・11」を闘おう! 高市政権の軍拡・原発推進政策と全面対決しよう

 福島原発事故から一五年の「3・11」を迎える矢先、高市政権は国会を解散し、自ら招いた危機を覆い隠す暴挙にでた。中国との戦争を構える存立危機事態宣言、統一教会との関わりの暴露、裏金議員の免罪等々の追及を恐れた高市政権は支持率の高い内にと解散で生き残りをかけたのだ。選挙結果がどうであれ中道改革連合なる新党の出現により日本の右傾化はますます進むことになる。安保三文書の改定、原発の推進、スパイ防止法の制定等々と「戦争の出来る国家」の推進が加速されるのだ。アメリカ・トランプ政権に見るように資本主義の危機を世界市場の確保を侵略と植民地化で乗り切ろうとするのは日本も同じだ。資本主義は生き残りをかけた時代に入ったのだ。まさにわれわれ左翼にとっても歴史的転換の正念場を迎えていると言えるのだ。原発問題を基軸にその意義を捉えて行こう。

「3・11」福島原発事故を忘れるな

 高市極右反動政権の基軸の一つに原発問題があるのは確かなことだ。二〇二〇年菅政権が「カーボンニュートラル」宣言を出し、二〇五〇年までにCO2ゼロを目指すことを打ち出し、「原発はクリーン」なるイメージを振りまいた。二〇二三年岸田政権はエネルギーの安定供給を目指すことを口実に原発推進を経済的に保証するための「GX法案」を成立させ、また原発の稼働期間を四〇年間から六〇年間以上まで延長可能にする法改悪まで行った。原発復活の仕上げとして二〇二五年石破政権は「第七次エネルギー基本計画」を閣議決定し、完全に「原発回帰」路線を確定したのだ。
 高市は根っからの軍拡論者であり、核武装容認論者だ。政権に就いて何を言ったかといえば「新エネルギーを持つ潜水艦が必要」、つまり原子力潜水艦を持つと、中国との戦争も辞さない「存立危機事態宣言」も必然の意図的発言なのだ。そのためには核を「作らない、持たない、持ち込ませない」の「非核三原則」をも撤廃しようとしている。今後ますます核武装論が言われる事も見ておかなければならない。
 日本はなぜ原発を止められないのか? 核燃料の再処理から原発の材料が生み出されるからだ。すでに日本はプルトニウム約四六トン、広島型原爆六〇〇〇発分を所有しているのだ。一刻も早く危険な高市政権を打倒する事が反原発運動にとっても必要な課題と言える。
 福島の現状だが、福島原発過酷事故から一五年。いまだに避難民が二万四〇〇〇人以上にものぼり、放射線被害で苦しんでいる。子どもの甲状腺がんは四〇〇人以上にものぼっているがいまだに被ばくとの因果関係を国・東電は認めていない。帰宅困難区域は七市町村にあり、いまだに「原子力非常事態宣言」が出たままだ。こんな状況で福島は復興したなどと誰がいえるのか。
 フクイチの溶け落ちた放射性核燃料デブリはわずか0・7グラムが取り出されただけで現状は放射能が高濃度過ぎて手が付けられない有様だ。八八〇トンあると言われるデブリを東電は二〇三〇年代に本格的に取りだして二〇五一年までには廃炉出来るとうそぶいているが福島住民を欺く言動であり許せない。
 世界中の反対の声を押し切って強行した「汚染水」の海洋投棄は、昨年で約一〇万トン以上が放出された。だがまだ一二八万トン残っておりその内七割は放射線量が高いため再々処理が必要な代物といわれている。また今でも地下水や冷却水が汚染水となり毎日八〇トンも溜り続けている、これまた東電は二〇五一年までに終了すると言っているがどのように計算しても無理な目標なのだ。
 現在あらたに問題になっているのが「汚染土」問題だ。放射能汚染した汚染土はダンプ二〇〇万台分(一四〇〇万立方メートル以上)あり国は二〇四五年までには県外搬出すると住民に約束しているが積極的に引き受ける声は少ないのだ。汚染土を再利用せよと号令を出すが全国に放射能をばらまく行為を認める地域など無く、無理矢理公園などに押しつけようとしたが住民達の頑強な抵抗があり退却せざる得ない状況なのだ。放射能の内部、外部被ばくの実態も解明されず汚染土の搬出強行など許されないのだ。国・東電の復興政策は全く見通しがたたないのが一五年の福島の現状だ。
 最近、東電の経営再建や他社との統合再編などが言われている。フクイチ事故の賠償や除染などの処理費用は二三・四兆円に膨らみ、今後廃炉費用も莫大な額になると言われている。今の東電には技術力も資金力も無いのだ。国策を盾に東電は自らの責任を認めない。そればかりか生活生業補償も満足に出来ないために福島は復興したとの宣伝ばかりである。
 そのような中で打ち出されてきたのが「福島イノべーション・コースト構想」なる代物だ。過疎化するばかりの福島・浜通り一帯に巨大な箱物産業を誘致し、あたかも福島が復興したかのように見せかける事業だ。実態は廃炉研究、ドローン研究、航空宇宙産業の研究と軍事兵器産業に直結するものが沢山盛り込まれているのだ。まさに高市が兵器軍需産業で経済復興を図る経済戦略と軌を一にした構想が進んでいる。復興とは名ばかりの福島の現状を私たちは忘れてはならないしこれ以上の犠牲を生み出してはならないのだ。

原発再稼働の状況

 二〇二五年の時点で一四基の原発が再稼働された。第七次エネルギー基本計画が発表され原発の需給構成比率が20%と設定されたが、再稼働申請された全ての原発が稼働したとしてもその数値は達成されない。政府は何としても動かして数字が出るようにみせかけている。そのために安全性をないがしろにした再稼働が容認されているのだ。特に東日本エリアは稼働原発がすくないのだが二〇二四年被災原発でもある宮城県の女川原発二号機を地元の反対の声を押しつぶして再稼働させた。それはフクイチと同じ「沸騰水型原発」である。政府の本音は何としても東電の原発再稼働をさせたいということであり新潟県の柏崎刈羽原発に力を入れてきた。

柏崎刈羽原発

 新潟県・柏崎刈羽原発の再稼働は危険だ! 一、二号機は廃炉が決定されているとはいえ七号機まである施設は世界最大規模の原発施設である。しかしこの原発は二〇〇七年に中越沖地震に見舞われ甚大な被害を受け、変圧器が火災で冷却不能寸前までいったのだ。以前から活断層の存在が指摘されており、二〇二四年の能登半島沖地震でも液状化現象が起こり危険性が指摘されている。
 また東電社員によるセキュリティ不正管理問題を度々おこし、原子力規制委員会(以下、規制委)から改善をしなければ稼働承認しないとまで言われる始末で、東電の「安全神話」が全くの虚構であることが明らかになったのだ。こんな会社に原発を動かす資格はないのは当然だ。

東海第二原発

 茨城の東海第二原発を所有する日本原電(以下、原電)は会社が存続できるか否かの重大な岐路に立っている。二年前内部告発で発覚した防潮堤欠陥工事はその設計変更の代替案が出せないまま工事がストップしており、二〇二五年九月再稼働を二〇二六年一二月に延期したのだがとても無理なことが明らかになっている。東海の岩盤は三五〇メートルも深くにありその上に柔らかい地層があり防潮堤の柱は岩盤に打たれていないのである。この東海原発は一五年前の大津波で建屋に浸水し電源が切れて、あわやとの事態にまでなった被災原発なのだ。その防潮堤が施工不良とは安全軽視もはなはだしい問題だ。この原発を動かしてはならないもう一つの理由は四〇年も経つ老朽原発と言うことだ。原子炉内部は劣化しており周りの機器類も劣化している。特に二〇キロメートル近い長さのケーブルは可燃性の旧式の物で一部を不燃カバーで覆っているだけだ。火災が起こるだけでも大事故につながるのだ。東海第二原発では二〇二〇年九月以降で一二件もの火災が起こっている。原電はかつて敦賀原発でのデータ改ざん問題も起こしており、この会社に原発を動かす資格はないと言われてきた。他にも財政的問題等原電が原発を動かしてはならない根拠は沢山あるのだ。柏崎刈羽原発も東海原発も首都圏の電源として使われている。危険な原発を原発立地だけに押しつけてはならない。電力大消費地である大都市地域でも反対の声を上げ原発を止めていかなければならない。

原子力規制委員会は原発推進機関だ

 一月五日、中部電力・浜岡原発データ捏造問題が発覚した。これは日本の原子力行政を根本から揺るがす大問題である。規制委に出された報告書によれば、二〇二五年二月に「情報申告制度」、すなわち内部告発で明らかになった。しかし中部電力と規制委はこの一月までこの事実を隠していたのだ。そのデータとは基準地震動の策定の際に多くのサンプル波形の中から自分たちに都合の良いデータだけを選定していたというものだ。これでは当然基準値が過小評価され自分たちに都合の良い評価が承認されてしまうのだ。基本的に原発プラント設計はこの基準地震動を基にされるわけで原子力建屋も防潮堤もこれを基準として設計されるのだ。これが偽造・捏造だとしたら安全性に関わる問題なので全ての原発は止めて再調査しなければならないのだ。事態の重大性に驚いた規制委の山中委員長はすぐさまこの問題は「水平展開」しない、すなわち他の原発の調査をする物ではないと問題の打ち消しに必死だったのだ。しかし過去には度々電力会社の不正データ事件が起きており信用できるはずがない。規制委は一刻もはやく全原発を止め審査をやり直すべきだ。
 その上でしっかり見ておかなければならないことは、こうした重要な案件を規制委も見抜けていないことだ。内部告発がなければ問題が発覚しないとすればこの規制委はなんと役立たずの機関かということだ。安全基準を審査する機関がそれを出来ないなら存在意義がないのであり解散しなければならない。規制委が経産省に巣くう「原発マフィア」の手先となっており単なる原発推進機関となっている。規制委はすぐさま原発廃炉を決定し、解散せよ!

原発再稼働攻勢と断固闘おう

 甚大な被害を出し、多くの人命が奪われた一五年の「3・11」がやってくる。溜り続ける「使用済み核燃料」問題、「核ごみ」問題、「被ばく労働」問題等々と問題は何も解決されていない。このままでは原発再稼働が人類の滅亡さえ引き起こしかねない。高市やトランプなど極右政権は平和と言いながら武器を売り戦争を拡大させている。闘いは重要な歴史的転換期に来ている。全国で「3・11」を取り組もう。


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